「安全」を感じていないとき、心身がどのような状態になるか、「安全」を感じられるようになるためにどうすればよいか、整体とコーチングとMetamorphic Techniqueのセッションで気づきがありましたのでシェアします。
<整体での気づき(目の動き)>
先週末、長年通っている、神経学をベースにした整体の先生のところに伺いました。
こちらの整体では、まず初めに目の動きをチェックしていただきます。
そうすると、私の目は左右に動かしにくく、目だけを動かそうとすると、スムーズでなかったり、頭まで一緒に動いてしまっていました。
光を当てると瞳孔が開きっぱなしで、無理に目を動かしている様子から、必死さが感じられたようです。
それを聞いて、私は数日前のジムのトレーニングでも、普段息抜きしていますか?と聞かれたことを思い出し、ここ最近日常が必死モードだったことに気付きました。
前回のブログに書いた通り、仕事の契約終了が決まって、知らず知らずのうちにストレスのかかった日々を送っていたのです。
十分に休息を取らず、日々せわしなく過ごしていました。
<整体での気づき(呼吸が浅い)>
こんな必死モードのとき、呼吸は浅くなります。
浅い呼吸に加えて、後ろを振り返るような首の動きをすると目が回りそうな感覚があることを整体の先生に話しました。
すると、目が回るのは前庭系(平衡感覚)がバランスを崩しているということで、前庭系が機能するには十分な酸素が必要なのだと言われました。
つまり、呼吸が浅くなっていると、酸素供給が減るので前庭系の機能が低下しやすくなってしまうということでした。
さらに酸素供給が減ると、神経細胞が死滅しないように自ら刺激を求めにいってしまう(ストレスを増やすような行動をする)性質があるそうで、自分自身を振り返ると、疲れている時こそパソコンに向かってしまうような過ごし方をしていました。
刺激を受けると細胞は一時的に元気になったと錯覚するけれど、その後疲れを感じるものだと言われた通りの感覚でした。
<呼吸に関する考察>
ここで、ブレインジムのテキストから「呼吸」に関する内容をまとめてみます。
呼吸の反応はストレスの度合いと直結しています。
呼吸は力、スタミナ源であり、本来自然に呼吸するだけで自然にパワーを得られるものですが、無理しないと呼吸できない場合、何かを達成するためには努力やコントロール、または他人からの強制などが必要なのだと学んでしまったのかもしれません。
これは呼吸反射が不足していて、何かをするときに息を止めることが習慣になっている状態です。
その背景には、かつてトラウマのような首が締まるような状況を経験したことで、生き残るためには息をしないでいることが「安全」だとからだが学習してしまったことにあります。
この状態になると、筋肉の固有受容器はリセットされず、生き残るために息を止める選択をし続けてしまうことになります。
呼吸は全身の動きにも関係があり、呼吸を止めがちになると気持ちも張り詰め警戒するようになり、からだも硬直しがちになります。
その結果、ゆったりとリラックスしたり楽しんだりすることを避けるようになります。
呼吸やからだの状態は脳幹により無意識に制御されているので自力で解除するのは難しい状態です。
<コーチングでの気づき>
整体の施術を受けた同じ日に、Calvin Coyle氏の無料講座で知り合ったLさんのコーチングセッションを受けることになっていました。
LさんはコーチングスキルのブラッシュアップのためCalvin氏の講座に参加されている方です。
Calvin氏のコーチングのモデルは4つのステップから成り立ち、このモデルをもとにLさんがコーチングを進めていきます。
1.現状:今どのような状況にあるのか?
2.ビジョン:これからどうなりたいのか?
3.問題点:ビジョンに到達するために何が問題になっているのか?
4.解決策:ビジョンに到達するためにどうすればよいのか?
私にとって「現状」は仕事を失ったこと、「ビジョン」は、これからセラピストとして向かいたい方向です。
そして、「問題点」として思いつく事柄を話してみました。
私は、以前ブログでご紹介した、下記の一文を潜在意識下で「信じている」ことを自覚していました。
・内面に不安や自己不信があり、自分は不十分でビジョンを実現することは不可能だと思っている。
この話を進めていく中で、Lさんにふと投げかけられたのが、「安全」についてどう考えていますか?という言葉でした。
「安全」という言葉を聞いた時、私はそんなことを考えたことがなかったけれど、根本的な問題がここにあるような気がして頭が真っ白になりました。
私はもしかしたらこれまで本当の意味で「安全」を感じたことがなかったのかもしれず、だからこそ、不安定な状況(仕事を失ったこと)に対して必要以上にストレスを感じるのかもしれないと思いました。
最後に、Calvin氏のコーチングモデルでは「解決策」の提示がありますが、これはコーチの意見を一方的に勧めるのではなく、受け手と話し合いながらの提案になります。
Lさんはまず、私のものの見方について、特定の判断をしている認知に気づくことが大切なのではないかとおっしゃいました。
何がよくて、何がよくないのか、その判断は絶対的なものではなく、ただ、自分がそう思っているということに気づいていく必要があるということです。
また、「安全」を感じられるようになるために提案してくださった「自分にハグして慈養する」ワークがよさそうだと思いました。
片手を胸に、もう一方の手をお腹に当てて、自分で自分を抱きしめます。
この週末自分ハグを実行できそうですか?とLさんから質問されたとき、私は翌日お客様がいらっしゃるから、その後ゆっくりハグする時間を取りたいと答えました。
すると、お客様がいらっしゃる前にハグする時間を取ってみてください、とLさんに言われ、まず自分を大切にすることが何よりも大事なのだと気づきました。
限られた時間内で根本的な解決策を見つけることは難しいですが、自分では自覚していない点に気づくことができたことは大きな収穫でした。
<Metamorphic Techniqueのセッションにて>
その翌日、お客様が来られる前に、私は自分をハグすることを実際にもイメージでも何度か行いました。
その後、Metamorphic Techniqueのセッションを準備する中で、前日Lさんと話した「安全」に関する思考のもやもやは次第に抜けていきました。
というのは、コーチングや他のセッションと違い、Metamorphic Techniqueのプラクティショナーはシンプルに頭と心を無にして次の3つを徹底して実行することが求められるからです。
1.Notice the fact. 事実に気づく。
2.Acknowlege the presence.存在を認識する。
3.Let it be.そのままにする。
Metamorphic Techniqueのセッションでは、お客様のお悩みにフォーカスしたり、その解決策を考えたりすることは一切行いません。
最善の叡智は受ける方自身に存在するため、受ける方がその叡智につながるために環境を整えることが最も大切なことだと考えられているからです。
そこで、プラクティショナーはお客様にヒーリングやセラピーを行うのではなく、お客様と共にワンネスの時間を過ごさせていただく、という観点を大切にしています。
ワンネスの状態にあるとき、人は自分自身の叡智につながり、何かを解決しようとしなくても、必要な出来事は自然に起こっていくのです。
私にとってMetamorphic Techniqueのセッションは、お客様と共にワンネスにつながらせていただく貴重な機会であり、いつも感謝に包まれます。
<Metamorphic Techniqueのセッション後の自分の気づき>
お客様が帰られた後、私はお客様が来てくださったことを本当に幸せに感じました。
そして、目の前にどんな問題が起きていても何も足りないことはなく、満たされているのだ、ということを心の底から感じました。
Lさんが提案してくださった、特定の判断をしている認知(自分が常に不十分だと思っているからこそ安全を感じられず、常に何かをしなくてはいけないと必死になっていたこと)に気づくことができたように思います。
コーチングでは問題点に「気づき」、「認識し」、具体的な解決策はわからなかったけれど、「そのままにした」ことで自分の中の問題点が変容したように感じました。
最後にまとめとなりますが、今回、コーチングとMetamorphic Techniqueという、2つの相反するセッションをご紹介し、混乱された方もいらっしゃるのではないかと思います。
人により状況によりどちらも重要であり、コーチングのように、ゴールを決めて問題点に気づき解決策を考えることも、Metamorphic Techniqueのように、ただ無になるという経験も、かけがえのない時間になると思います。
当サロンではコーチングは行っておりませんが、ブレインジムのセッションでは、コーチングのようにゴールを設定し、気づきを大切にしております。また、解決策として脳と心身を統合するためのワークを行います。
また、ストレス下での迷走神経(脳神経の1つ)の働きに関するポリヴェーガル理論ではワンネス(つながりを持つこと)が「安全」を感じるために大切であると考えられているため、Metamorphic Techniqueも同様にお勧めできるかもしれません。
今回のお話が、ご自身に必要なセッションに迷いがある方、同じように「安全」に関するテーマをお持ちの方に少しでもご参考になれば幸いです。
<安全に関するブログ(ストレス下での迷走神経の働きに関するポリヴェーガル理論について)はこちら>