自分で自分のドクターになる

私は祖母が大腸がんになって抗がん剤を飲み始めてから一気に体調が悪化しあっという間に亡くなってしまった経験があります。

 

また、自分自身が乳がんやその他の病気になった際すぐには提案された治療を受ける決心がつかず、その思いを担当医に率直に打ち明けると強い口調で言い返されたことが何度もあります。

 

担当医が提案する治療法はエビデンスの確立された標準治療であり、それに対して疑いを向けることは常識では考えられないと一蹴されてしまいました。

 

そのような態度を取ると同じ病院に通うのが難しくなることを実感していましたが、山崎先生も、標準治療を受けないと決めた患者さんの行き場がなくなることを危惧しており、パニック状態の中、やむなく抗がん剤治療を受けると決めてしまう患者さんが少なくないことを書かれていました。

 

もっと生きたいと願って抗がん剤治療に踏み切る患者さんの多くが重い副作用に苦しめられる経験を間近に見つつも、現在の保険制度上それを選ぶのが自然な流れで他の選択肢を選ぶことが難しい現状に疑問を持っていらっしゃいました。

 

山崎先生は誰にでもできる方法として、主に糖質制限による食事内容の見直しを提唱されていらっしゃいます。

 

これは、がん細胞が糖分を基に増殖するという特徴があるためです。

 

この説は、私が現在飲んでいるバイオケミックティッシューソルトの開発者であるオーラソーマティーチャー・アリソンさんも同様のことをおっしゃっていました。

 

糖質=炭水化物の摂取を抑え、血糖値を上げないようにすることが必要と聞いて以来、自分が普段口にする食べ物についても意識するようになりました。

 

そうすると、感情ストレスを感じないために食べていたり、周りに合わせて食べ過ぎていたり、自分を大切にできていないことに気づくようになりました。

 

西洋医学の世界から見ると、確たるエビデンスのない代替療法は怪しいものとみなされていることをドクターとの短い会話から感じます。

 

リフレクソロジーを始めとした代替療法が保険診療で受けられる国に比べて資格取得などの要件も整備されておらず、すべての代替療法が信用できるものとは言えないのが現実だと思います。

 

そのような代替療法に対する見方が厳しい医療界において、標準治療以外の選択肢の中で信用できるもの、それも一般の人には手が出せないような高額の治療法ではなく、多くの人が取り入れやすい療法を探すべく、自らのからだを実験台に励んでいらっしゃる山崎先生の思いに強く感動しました。

 

転移した腫瘍のいくつかは消失または縮小し、今も山崎先生はご自分と患者さんのために奔走していらっしゃいます。

 

一方で、患者となる立場の私たちも、自分のからだに責任を取り、西洋医学的視点から意見を仰ぐときは真摯に受け止めつつも、すべてを担当医任せにしないだけの強さと自分軸と、自分のからだの声を聴けるしなやかさを持つことが大切だと私は思っています。

 

必要により治療を受けることが最善であることもありますが、治療を受けただけでは病になった根本的原因が解決されていないのです。

  

Metamorphic Techniqueでは、病の元になっているもの(思考・感情・行動パターンなど)に働きかけないと治療をしてもまた同じような病気が再発するという考え方をしますが、先日ご紹介したルイーズ・ヘイさんの著書でも、同じようなことが書かれていたのが印象的でした。

 

現にわたしは4年前に検査で子宮頚がんの前段階の異変が見つかりました。

 

担当医からは手術を受けるよう強いプレッシャーを受け、悩んだ末手術を受けたのですが、手術後は完治したものとして病気のことはすっかり忘れていました。

 

しかしその数年後乳がんが見つかり、どちらも女性性に関わる部位で、その問題が自分の中で解消されていなかったことに気づかされることになりました。 

 

長い間がんと共存してきたイタリア人ヨガインストラクターPさんは、病気になるというのは心とからだのバランスが取れていない状態であること、にもかかわらず、病院ではどうすればバランスを取ることができるかは教えてもらえないと話していました。

 

確かにからだには本来自然治癒力という自らバランスを整える機能があることを考えると、病気になってしまうのにはそれなりの長い時間と背景があるものと考えます。

 

私もまだ道半ばですが、自分の心とからだのバランスを取り戻すことを目指し、その過程の中で、自分軸を整え、自分を大事にする、という試みを実践していきたいと思っています。

 

そして、西洋医学のドクターにはなれなくても自分自身の信頼できるドクターになれるよう、自分の声を聴く努力をしていきたいと思っています。