ネガティブな思考と感情は誰のもの?~ニュー・アースを読んで~

ゴールデンウィークも最終日になりました。いかがお過ごしでしたでしょうか。

 

私は4月末に久しぶりにスピリチュアルなワークショップに参加しました。

 

その後、弱い目まいのような、何となく頭の軸が定まらないような感じがしていたところ、連休開始と同時にひどい歯の痛みを経験しました。

 

直感的に、これまで何度かブログでご紹介してきた通り、歯の痛みとスピリチュアルな気づきは何か関係がありそうだと思いました。

 

フェイシャルリフレクソロジークラニオセイクラルセラピーなどでは、口回りは、無意識の領域の葛藤や否定的感情に関係があると考えられています。

 

歯の痛みは耐え難かったですが、痛みが引いた後、何かが解放されたような気がしています。

 

この前後に読んだ本が大変よい気づきをもたらしてくれましたので、今日は根深い思考や否定的感情の扱い方についてシェアしたいと思います。

 

私は3月末にオーストラリアという非日常の環境で念願のクラニオセイクラルセラピーを学んで帰国した後、それまでと全く変わらない会社での仕事が非常に苦痛に感じるようになりました。

 

以前も非日常から戻った後の日常での疲れについてブログに綴ったことがありますが、今回はその時以上に、魂に喜びをもたらさないことをすることが与える負の影響をより強く感じました。

 

この日常をどう変えていけばよいかが帰国後の最大のテーマになり、4月末にワークショップに参加することを決めたものの、相変わらず繰り返される思考に疲れを感じていました。

 

そんな中読んだ本が、エックハルト・トール著「ニュー・アース(副題:意識が変わる 世界が変わる)(原題:A New Earth - Awakening to Your Life's purpose)」(サンマーク出版)です。

 

私にとって一番の収穫は、頭の中で繰り返される思考は自分のものではないことがようやく理解できたことです。

 

自分とは、その思考を見ている意識であり、この意識こそが自分本来のアイデンティティなのだと著者は述べています。

 

以下、本の内容をまとめます。

 

思考と自分が一体化しているときの意識はエゴと呼ばれるものであり、エゴに基づくアイデンティティは、性別、所有物、身体、国籍、職業、役割など表面的に貼り付けたラベルと同一化しています。

 

エゴは、無意識の中に存在する社会や先祖などに条件づけられた古い思考から成り立っています。

 

この思考はただひたすら繰り返され、思考に対する身体反応であるネガティブな感情が付随します。

 

思考している自分は、実は無意識の中で古い思考に取りつかれた状態になっているのです。

 

 

<エゴの特徴>

 

エゴに基づくアイデンティティは、他人と比較して優越を感じなければならない弱さをもっているため、常に自分を守って拡大させる必要があります。

 

自分は十分ではなく、他人には何も与えるものがない小さい存在と信じているのです。

 

そこで、他人の劣った点を見つけて否定的なラベルを貼りたくなります。自分が正しいと思うとき、エゴが強化されます。

 

 

また、所有の意識が重要になり、何かを持っていることや、特定の役割と同一化します。

 

意識の根底に十分に持っていない不満、何者でもない不安があるため、常にもっともっとと多くを求めます。

 

この時生じる感情は、いらだち、焦燥感、退屈、不安、不満、恨みなどで、これにより、エゴはさらにエネルギーを得ます。

 

現在起こっている出来事に対する見方がゆがみ、現実を恨むようになり、何をしていても満足できず、問題を解決しないと満たされないと考えます。

 

問題を深刻に受け止めると、その現実が強化されます。

 

過去か未来のことばかり考えていて、ネガティブな感情に支配されるようになります。

 

未来のことを考えているとき、いつもどこかに行こうとしてせわしなくなります。

 

現在起こっていることに抵抗し、状況を否定していると、心が縮こまってより一層エゴの殻が固くなります。

 

結果的に、宇宙を動かしている力と自分を切り離してしまっていて、自分が一人だと思うあまり、あれこれ成し遂げようと必死にならざるを得ません。

 

 

<エゴに紐づくネガティブな感情について>

 

被害者意識があるとき、問題が自分のアイデンティティの一部になっており、過去の感情的苦しみを何度も経験し苦しみを強化することになります。

 

古い感情が紐づく古い記憶にしがみついていて、この時エネルギーフィールドに感情的苦痛の磁場ができています。

 

これをペインボディと呼び、ペインボディがもたらす結果は不幸依存症です。

 

ペインボディは、自分は苦しむべきではないというネガティブな思考を糧にしています。

 

ペインボディには、民族、女性、家族間で引き継がれるような、集団的なものもあります。

 

特に無意識化に抑圧されているペインボディは毒性が強く伝染しやすく、例えば親が強い不安を感じていると、子は親のペインボディを吸収してしまいます。

 

また、ネガティブな感情を認識しないでいると、ペインボディ化して病気として現れることもあります。

 

 

<エゴから解放されるために>

 

エゴに気づけば(今に意識を置くと)エゴから解放されます。気づきとエゴは共存できないからです。

 

・出来事に対して

 

どんな状況にも善悪の判断をせず、世界をありのままに見るようにします。

 

起こったことに反応したり、抵抗したりしないようにします。

 

出来事は自分の内面と調和しているものがその時点で表面化しただけだからです。

 

出来事をあるがままに受け入れ、人生に自分を開き、状況と1つになると安らぎを感じるようになります。

 

そうすると、人生が宇宙の力と調和し、たとえ限界があっても超えることができるようになります。

 

自分は大宇宙を反映する小宇宙であり、自分を通して大宇宙の知性が創造してくれるようになります。

 

このとき、助けや偶然や出会いなどシンクロニシティが起きます。

 

必要であれば行動を起こしますが、行動の元にある意識が全体と調和するため、宇宙(状況や人々)が協力的に展開してくれるようになります。

 

不必要な努力が不要になり、ストレスがなくなります。

 

また、すべてのものは不安定であり、形あるものは移ろいゆくことを受け入れます。

 

たとえ形の上で優劣や過不足があっても、本質は変わらないことを信じます。

 

重要なのは自分の意識なので、自分があらゆるものの豊かさを感じていれば、豊かさは現実化するし、不足を感じていると、足りない現実を経験することを理解します。

 

・ネガティブな感情に対して

 

ネガティブな感情を認識し、自分の中に「ネガティブな状態」「不幸」「苦しみ」「ペインボディ」が存在することを認め、受け入れます。

 

(ただし、自分自身が不幸であると認識しないようにします。)

 

事実と直面することで対処する勇気が湧いてきます。

 

苦しみを顕在化すると、苦しみを作り出すのを止めることができるようになり、変容が起き始めます。

 

恨みの感情があれば、恨みをしっかり感じます。恨みを生かし続けている思考に気づくとゆるしに至ります。

 

喜びは形や所有や達成や未来の出来事によってもたらされるものではないため、いま物事を受け入れ、ゆるしの感情を抱くことにより、喜びが生まれます。

 

 

<今に意識をおくために>

 

・呼吸を観察する→からだを感じ、生命感を感じる。

 

・行為に意識を込める→未来のことを考えない。出来事に相手に全意識を集中する。

 

・人生を動かすのはエゴが求めるもの(所有など)ではないことを理解する→不安で不確かな時期があっても楽しむ。

 

不確定を受け入れられないと恐怖に変わるが、受け入れることにより、生命力、洞察力、創造力が充実して人生に無限の可能性が開ける。

 

 

<目覚める(今に意識をおく)ために重要な3つのステップ>

 

①受け入れる(しなければならないことがあれば、それを受け入れる)

 

②行動を楽しむ→宇宙の創造力につながる

 

③情熱を燃やす(人々に役立ち人生を豊かにする目標やビジョンを持つ)

 

 

<感想>

 

これまでも、何かポジティブな出来事が起きた後ふとネガティブな状態に陥る、という関連性に気づいてきました。

 

本にも書いてあった通り、旅先で非日常を経験すると、思考より感覚が優位になって物事の認識ができるようになりますが、それにより、魂が喜びを感じていない日常をより強く認識するようになったのだと思います。

 

今回特に、満たされない状況をどうにかしたくてもどうにもできないことへの焦りの気持ちが強かったです。

 

何か行動を起こそうとするものの、ネガティブな思考に火が付くと自己嫌悪のループを繰り返していました。

 

4月末に参加したスピリチュアルなワークショップで偶然にも一番初めに行ったことが、ネガティブな感情をじっくり感じるというワークでした。

 

ネガティブな感情を感じることがこれほど不快だとは思わず、不快だからこそ感じたくなくてお決まりの思考で解決しようとしてしまうのだなと思いました。

 

けれどもその思考こそが自分のものではなく、過去の産物であるとしたら、ポジティブに解決できるわけがないのですね。

 

エゴという言葉は悪者のイメージで心地よくはないですが、思考にとらわれている時こそエゴが強化されている状態であることがわかりました。

 

本を読み進めていくうちに、思考で自分の可能性を抑え込み、解決しようとしていることに気がつくと、状況は変わっていなくても次第に気持ちが楽になっていきました。

 

問題を解決すること、行動して何かを起こすことではなく、どんな状況にあっても今自分が心穏やかにいることが大切なのですね。

 

何が起きても今最善のことが起きていると信頼すること、たとえ一時的に望ましくないと思えることがあっても、その状況を悪と判断しなければ、穏やかな精神状態に見合った現実を宇宙が創造してくれるということを心の底から信じたいと思いました。

 

まず今私にできることは、目覚めるために重要な3つのステップの【①受け入れる(しなければならないことがあれば、それを受け入れる)】です。

 

会社や日常でしなければならないことをまず受け入れていきたいと思います。

 

そして、どんな時も【②行動を楽しみ】、【③情熱を燃やす(人々に役立ち人生を豊かにする目標やビジョンを持つ)】を心に留めて、セラピーの活動を続けていきたいと思いました。

 

特に、「変容」をテーマとするMetamorphic Technique®がこの本の内容を体現していると実感しましたので、セッションを通じてこの気づきをお伝えしていきたいと思います。