クラニオセイクラルセラピーについてご紹介③~頭蓋の動きとワンネスの感覚~

9月中旬に今年二度目のオーストラリア・タスマニアに滞在し、クラニオセイクラルセラピーの講習を受けてきました。

 

クラニオセイクラルセラピーとは、セラピストが頭蓋や仙骨に手を当て、脳脊髄液の流れるリズムを感じ取りながら、からだが本来持っている

自然治癒力を呼び覚ますセラピーです。

 

脳脊髄液の流れるリズムは主に3段階に分けられ、それぞれ特有の意識状態に対応すると考えられています。

 

前回3月の講習で扱ったミッドタイドに対して、今回のテーマのロングタイドは時間の流れが存在しない空のような空間に広がる深淵な世界でした。

 

まず、脳脊髄液について、一度目の滞在時のブログから引用します。

 

脳脊髄液は脳内で一定のリズムでポンプのように産出と吸収が行われており、その流れに合わせて頭蓋や仙骨の骨もゆりかごのように動いています。

  • 通常の意識状態:1分間に8-14サイクルで流れている。
  • ミッドタイド(タイドとは潮の流れのこと):1分間に2.5サイクルまで速度を落としたとき、癒しが起きる意識状態と考えられている。
  • ロングタイド:90秒間に1サイクルという非常にゆっくりしたリズムで、健康しか存在しない状態と考えられている。

 

ミッドタイドがからだや、その周りにあるエネルギー体に癒しを起こす流れであるのに対し、ロングタイドは潮の流れ、森林で感じる空気感や宇宙空間のような、既にバランスの取れた自然界のリズムそのものです。

 

私たちはみな、程度の差こそあれ、ストレスやトラウマ、カルマ的なものに影響を受け、その記憶はすべて細胞や組織内の水の流れとからだの外側のエーテル体に存在すると考えられています。

 

一方で、ロングタイドはそのような否定的なものを超越した完全なる世界に存在します。

 

それは、遠いどこかではなく、静寂の中でアクセスできるところにあるのです。

 

 

<クラニオセイクラルセラピーの施術とは>

 

今回は、主に顔面の骨(眼窩、頬骨、鼻骨、鋤骨、篩骨、口蓋骨、上顎骨、下顎骨)のワークについてご紹介します。

 

まず、コース前半では、顔面の骨一つ一つに触れていく実習を行いました。

 

顔から触れることのできるのは限られた面積ですが、そこに手指を当て、意識を集中させていくと、小さな骨が動いているのを感じます。

 

左右バランスよく、前後に揺れているのが理想的な動きですが、骨格の構造やストレス状態により、偏りが見られることがあります。

 

私の場合は、もともとの左右差に加え、8月末より新しい職場で慣れない仕事に取り組んでいたためか、右ばかりが激しく動く傾向があったようです。

 

クラニオセイクラルセラピーのセッションでは、偏りがあっても無理にその動きを矯正しようとはせず、からだが持つ動きに委ねます。

 

そうすると、しばらく特定の方向へ動き切った後、今度は反対方向へ動きを変え、からだ自らがバランスを整えようとするのです。

 

 

<眼窩>

 

目の周りには視覚や眼球運動に関連する脳神経が4種類も通っており、目は脳と深いかかわりがあります。

 

私の実感では目の周りの緊張がゆるむと、脳の疲れが取れるだけでなく、思考の解放にもつながるようでした。

 

一日の講習が終わって部屋に帰ると脳の奥深くに蓄積されていた思考の塊が溢れ出すような感覚がありました。

 

以前、ブレインジム®のクリエイティブビジョンについてご紹介した通り、視覚の背後に思考があることを改めて実感しました。

 

 

<鼻周り>

 

鋤骨、篩骨は聞きなれない名前ですが、鼻の奥の深部にある骨で、生命維持だけでなく、微細なエネルギーにも関わっているようでした。

 

鋤骨のワークは前回のブログでもご紹介した通り、口の中の前歯の奥の辺りからアプローチします。

 

篩骨は鼻の付け根、眉間の奥にあり、第三の目、第六チャクラの位置で、ここを解放するとエネルギーが拡大するのを感じました。

 

 

<口周り>

 

厚い筋肉に覆われた上顎や頬のあたりは特にストレスが蓄積されているように感じました。

 

また、口は、幼少期からの感情パターンや歯並びに由来する自己意識にも関係があるようです。

 

歯科治療によって口の中に無理な力が発生していることも多々あるようでした。

 

 

<顔面の骨と脳神経>

 

顔面の骨には12種類の脳神経のいずれかが走っています。

 

脳神経とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚を司る他、それぞれの感覚器官を動かす筋肉を支配する神経です。

 

さらに、以前クラニオセイクラルタッチを習ったスイス人オーラソーマティーチャーのマリア先生によると、医学が発達するずっと前の時代には、各脳神経は12星座と対応していると考えられていました。

 

つまり、脳神経には脳の機能のみならず、様々な意味合いがあるようなのです。

 

このように顔面の骨は小さい面積ながらもたくさんのエネルギーに満ちていて、それぞれの骨の動きが整っていくことで、深い深い解放感を感じました。

 

 

<ロングタイドとワンネス>

 

これまでもクラニオセイクラルセラピーのセッションを行っておりましたが、今回ロングタイドに働きかけるときの感覚について改めて発見がありました。

 

頭蓋の骨の動きのバランスが整い、ロングタイドを感じ取るにつれ、施術者の意識が受け手の意識と同調し、ワンネスの深い意識につながりました。

 

クラニオセイクラルセラピーはスピリチュアルワークという位置づけではなく、からだの自然治癒力を呼び覚ますセラピーですが、自然のリズムに同調してからだ自らが流れを整え始めるとき、スピリチュアルな感覚は自然に付随するのではないかと思うくらい厳かな空気感を感じました。

 

このように、クラニオセイクラルセラピーは、私たち人間のからだにはバランスを整える叡智があることを感じさせてくれる素晴らしいセラピーです。

 

次回は、からだの中心線を整えること、トラウマが生じているときのエネルギー状態、バーストラウマと全身の骨格のバランス調整についてお伝えします。