前回に引き続きCalvin Coyle氏のコーチング講座で学んだ内容のご紹介です。
前回は、ビジョンを持つことの重要性についてお伝えしました。
Calvin氏の提唱するコーチングはtransformational coaching(変容をもたらすコーチング)で、当サロンのコンセプトである「変容」につながります。
今回は、なぜ今変容が求められているのか、変容をもたらすコーチングとはどういうものなのか、Calvin氏の意見に非常に共感しましたのでご紹介します。
現在35歳のCalvin氏にはこれから大学に入る年の離れた弟がいるそうです。
弟が入る大学の世界とAIが切っても切れない関係であることを目の当たりにして、これからの時代、思っているよりも早く既存の仕事がAIに取って代わられる時代が来るのではないかと予測していました。
今後仕事の方向は二極化し、テクノロジーに特化した世界と、人間関係やつながりに特化した世界に向かうのではないか、と予測し、どちらにも当てはまらない仕事に就いている人は行き場を失うのではないかとCalvin氏は話していました。
ちょうど私が勤めている会社でも、AIを積極的に使用する方針が打ち出されたばかりで、2年後には仕事の2割程度をAIに任せていくような方向性を聞いていたので、Calvin氏の話していることは真実だろうと直感的に思いました。
つまり今特に変化を求めていなくても、今後時代の変化と共に能力のアップデートや別分野へのシフトが不可欠になり、多くの人が混乱することになる可能性があるということです。
それならば自ら変容を起こして、自分の魂が求めている方向性に進みませんか、というのがCalvin氏の提唱するコーチングなのだと私は捉えました。
それでは、変容をもたらすコーチングの構造についてご紹介します。
Calvin氏によると、人間の変容には7段階ありピラミッド状の構造になっています。
1) ビジョン、2) アイデンティティ、3)4) 価値観&信じていること、5) 能力、6) 行動、7) 環境
ピラミッドの頂点が「ビジョン」、一番下の土台が7番目の「環境」です。
次の6番目が「行動」で、上の段階の方がより強い意味を持ちます。
つまり、変容するのによい「環境」を持つことが大事ではありますが、それよりも適切な「行動」をすることが変容のためにはより重要になります。
6番目の「行動」と7番目の「環境」は顕在意識の領域です。
5番目の「能力」が顕在意識と潜在意識の境目になり、この3つ「環境」「行動」「能力」が通常人が問題を認識し、解決を求めている領域になります。
けれども、「環境」「行動」「能力」に現れる問題を解決しようとしてもうまくいかないコーチが多いのは、より根深い問題はその上の段階にあるからです。
3, 4番目が「価値観」「信じていること」で、意思決定をする際に重要となる、自分が人生で何を優先しているか、という段階です。
前回のブログでご紹介した【ビジョンを持てない人が多い原因】の2つ目に以下の点がありましたが、潜在意識下にある「価値観」「信じていること」が多くの場合ビジョン達成を妨げる要因となります。
・内面に不安や自己不信があり、自分は不十分でビジョンを実現することは不可能だと思っている。
2番目が、自分は誰かという「アイデンティティ」で、「アイデンティティ」に変化が起きればその下のすべての段階は変化していきます。
「アイデンティティ」でも十分ですが、さらにスピリチュアルな視点を加えたとき、ピラミッドの頂点に立つのが「ビジョン」です。
確固とした「ビジョン」=人生の目的を持つとき人は完全な変容を遂げることになり、人生にどんな困難があっても力強く生きていくことができるとCalvin氏は話していました。
まとめると、7段階の中でやはり鍵となるのは「価値観」「信じていること」の段階のようです。
Calvin氏によると、脳は一度に多くの情報を処理できないため、4つの領域のみに焦点を絞り、効率的に処理できるよう、知覚する際にフィルターがかけられているそうです。
そのフィルターは、「価値観」「信じていること」をベースに作られており、実際のところ現実の0.0032%しか知覚できていないそうです。
また、30歳までに95%の脳の回路が固定化されているとのことでした。
ですから年齢が上がり、「価値観」「信じていること」が固定化されるにつれて、フィルターも固定化され、知覚できる現実も固定化され、人生で同じことしか認知できず、結果人生が同じことの繰り返しになってしまっているのです。
このような状態で変容を起こすことは難しいように感じられますが、Calvin氏が強調しているのは、人生で変えられないことはたった10%で、90%は変えることができるということ、被害者意識に陥らず人生に起きていることに責任を持ち、自分の人生は自分でコントロールできると信じれば突破口が開けるということでした。
そのために「ビジョン」を持つことが大事だということなのです。
最後に、前回のブログでもご紹介した当サロンのメニュー・ブレインジム®「クリエイティブビジョン」についてもう一度ご紹介させていただきます。
ブレインジム®「クリエイティブビジョン」では、どんなゴールに対しても目の使い方をチェックします。
Calvin氏によると、人間の知覚の8割は視覚に頼っているそうで、目から入る情報の多くにフィルターがかかっているということになります。
自分の「価値観」「信じていること」に沿った情報のみが選ばれ、それ以外は目に入らなかったり極端な解釈でゆがめられてしまっています。
このことは、下記ブログでご紹介した認知科学者の苫米地英人さんも同じことを本に書かれていました。
そして目の使い方に関連して、特定の「価値観」や「信じていること」が紐づいていて、多くの場合ネガティブなものが多いです。
このネガティブな言葉をポジティブな言葉(アファメーション)に変換していくのが「クリエイティブビジョン」のセッションの大きな特徴で、Calvin氏の提唱するコーチングに類似している点かと考えています。
一度に4つの領域しか注目できないのであれば、今、そして将来、何をどう見たいのかが重要です。
前回に引き続き再掲になりますが、クリエイティブビジョンのセッションの概要を1分間でまとめた動画を作成しましたので、日本語字幕オンにてご覧いただけますと幸いです。