集中して、望む方向へ進んでいく

ゴールに到達するための障害について、Pさんは以下の二つだと語りました。

  • 動機と一貫性の欠如(頭で望むことと、心で望むものが異なる)
  • 努力しても結果に結びつかない状態
  • 脳における恐怖へのサバイバル反応(闘争・逃走反応)

この障害を乗り越えるために、ヨガを通して以下の実行が大切とのことでした。

  • 感情を整え、穏やかに保つ→ゴールが達成できたときのポジティブな感情を意識する。(1)
  • 意識を拡大し、精神を明晰に保つ→なぜそれを望むのか意識する。(2)
  • 中心軸を保つ→自分の強みと、情熱を持てることは何か認識する。(3)
  • バイタリティを得る→決断力・安心感・集中力・勇気・強さ
レッスンでは、明確な意図をもって目標を立て、エクササイズを行います
ここでお気づきになった方がいらっしゃるでしょうか。この流れはブレインジムと全く同じなのです。
どんなにポジティブな目標であっても、脳にとっては未知のものは危険になり得るのでサバイバル反応(逃げる、避ける、止める)は容易に起きてしまいます。
サバイバル反応は非常に大きいため、初めに思っていた目標達成は遠のいてしまいます。
そこで、Pさんのヨガでは以下の3つを目標に、エクササイズを行っていくのです。
(1)何を望んでいるか、ポジティブな感情にフォーカスしイメージする。
(2)なぜ望んでいるか、意図を明確にする。
(3)自分の情熱とポジティブな側面を認識する。
エクササイズはいつも穏やかな動作が多いPさんのレッスンでは珍しく、結構アクティブな動きが多かったので驚きました。
背骨を強化することが目的のようで、ブレインジムで集中するために背中を柔軟にするエクササイズが多いのと似ているなと思いました。
さて、ここからは「サイコパスに学ぶ成功法則」を読んで、成功すること、目的を達成することについて考察を記します。
この本は、イギリス人でサイコパスを研究する心理学者と、サイコパスである元軍人との共著です。
一般的にサイコパスと聞くと、犯罪者などをはじめとした、他人への共感が低く、冷酷な特性を持つ人というネガティブな意味合いが強いです。
著者の心理学者は多くのサイコパスに会い研究する中で、そのポジティブな特質を見出し、一般の人たちが何かを成し遂げるためにサイコパスから学べることを提議しています。
中でも、高い集中力と精神的な強さ、どんな状況においても恐怖心に惑わされず冷静に事を成し遂げる自信と実行力を説いています。
私が本書を読んで、サイコパスの特質として印象に残ったのは、以下の点です。
  • 感情に左右されず、得意なことに集中し、実行する。
  • 完璧主義にならず、失敗を恐れず、先延ばしにしない。
  • 過去を振り返らず、未来を心配しすぎず、現在に集中する。<マインドフルネス>
  • 失う可能性ではなく、得られるもの<ポジティブな動機>を意識する。
  • 何かが起きても落ち込まず、自分を責めない。
著者によると、サイコパスは感情に対して「闘争・逃走反応」を起こす扁桃体が発達していないため、感情に左右されずに前頭葉で考えた計画を冷静に実行することができるそうです。
サイコパス=悪、と考えるとそれ以上のことが見えないですが、私たちは周りとの関係を保つために善でいることを意識しすぎ、恥をかくこと、失敗すること、変化することを恐れすぎているように思います。
その結果、自分が何を望んでいるかに気づき、望むものに向かって行動することができなくなっていることが多いと思います。
頭で考えすぎて行動できない癖を手放すために、「目標を設定し、からだを動かす」というシンプルな行動をこれからも続けていきたいと思っています。
今回の本を読んで、何かを成し遂げたいと思いつつもなかなか前に進めないとお感じの方に、改めてブレインジムをおすすめしたいと思いました。