幸せでいるために、脳の働きを最適化する

3つの次元とは、脳の3つの部位に関連する3つの機能のことです。

 

脳の機能は左右に分かれていることはよく知られていますが、それ以外にも、上下(大脳皮質と辺縁系)と前後(前頭葉と脳幹)にも別の機能があります。

 

左右の統合は思考やコミュニケーション、上下の統合は感情、センタリングや実行力、前後の統合は体感覚、集中力や理解力に関係します。

 

この3つの機能がバランスよく働いているとき、私たちはのびのびと楽しみながら能力を発揮することができますが、ストレス状態にあると、

1つ以上の機能が抑制されてしまうことがあります。

 

ブレインジムの3DRのメニューでは、この3つの次元に関係した動きをすることで、どの次元にあってもバランスの取れた状態を目指します。

 

今回モデルとして参加してくださったSさんは、目標として[Be happy(幸せでいること)]を立てました。

 

見た目は明るくにこやかな印象でしたが、笑った時に筋反射テストをすると力が入らず、笑うことにもストレスを感じていることがわかりました。

 

まず最初にプレアクティビティ(事前確認)として、横になった状態で、クロスクロール(左右の手足を交差させる)、片側クロール(左右の手足を片側ずつ動かす)をします。

 

その後に、3つの次元の統合(左右・前後・上下)を腕を動かしてもらいながらチェックします。

 

この時、ご自身の意識ではスムーズに動かせているつもりでも、筋反射テストをすると力が入りすぎたり無理に動かしたりしている状態=ストレス状態であることがわかりました。

 

このように、感じている状態とからだの動きは矛盾することがあり、からだの動きの方がより真実の状態を表していることが多いことから、からだを動かして確認していくことが重要になります。

 

次に、ハミングしながらクロスクロール、数を数えながら片側クロール、左右の脳が統合されているイメージをするなど、時間をかけて様々なバージョンをゆっくりと行います。

 

最後にX(左右統合のシンボル)をイメージしながら、見えるもの、聞こえるもの、感じるもの、など五感で統合された状態を感じるワークをしました。

 

その後、もう一度プレアクティビティで行ったチェックをしてみると、筋肉の動きが望ましい状態=スムーズに動かせる、無理のない力具合に変わりました。

 

勉強会の後家族相手に練習した際には、最初のプレアクティビティで筋肉の動き(腕の動きを止めているときに止まっているのか)がはっきりしない状態でした。

 

また、クロスクロールの動きをすることに負担を感じ、足が重いと言っていましたが、アクティビティ後のチェックではスムーズな動きとともに、動きを止めるときには自然にかつはっきりと止められる状態になりました。

 

このように、手足を動かすような単純な動きでも、ストレス下にあるときは動かすことが苦痛になります。

 

そのため、このメニューは負担にならないようゆっくり行うことが大事ですが、その分バランス調整がうまくいくと、努力だけでは実現することが難しい目標をより自然に達成することができるようになるのです。

 

セッションの最後に、モデルのSさんに「私は今幸せです」と宣言していただいた後、感想を聞いてみるとセッション後は心が落ち着いたとお話しされていました。

 

そして、今回の勉強会の参加者であるブレインジム歴数十年の先輩インストラクターの方が、数週間したら見える景色が変わるわよ~と声をかけていました。

 

そう、ブレインジムはセッション後にすぐに何かが変化するというよりは、その後の生活でもエクササイズを続けることで、少しずつ変化を実感していくものなのです。

 

さて私自身、最近仕事で忙しく、いつの間にか左脳優位で、感じる心を忘れてしまった日々を過ごしていました。

 

左脳は考えること、分析することは得意ですが、そればかりを使っているうちにただ仕事に頑張って疲れるだけの、余裕のない状態に陥ってしまいます。

 

幸せでいる、というシンプルな目標は、ストレスを感じている日々では遠い目標のように感じることがあります。

 

感じること、特に喜びや幸せを感じるには、右脳もバランスよく使う必要があるのです。

 

どんな時でも脳が統合されれば、脳はより効率のよい方法を見つけ出し、生活全体を楽しむこと、場合によっては今の状態を変える方向に導いてくれます。

 

ストレスの多い現代社会では、いかに自分の脳の状態を整えて、無理しないで人生を楽しみ、幸せでいる状態を維持できるか、その方法を知っていることが大事かと考えさせられます。

 

日常生活で心身の状態を整えるためであれば、からだを動かすエクササイズなら何でもよいかもしれませんが、より大きな目標を目指したり、人生の方向を変えていくことを考えるときには、ブレインジムのDLRや3DRで脳の動き、からだの動きそのものを見直していく方法が効果的だと思いました。