目で見る世界と思考のつながり

①アンダーフォーカスとは、右脳が優位になりすぎて状況に圧倒されてしまい、左脳の機能である焦点を定める、自分の経験として取り込む、取り込んだものを表現する、ということができなくなった状態をいいます。

 

私は自分がやりたいことに対して具体的な行動を起こそうとすると何をしてよいかわからなくなるところがあったため、「進みたい道をはっきりと見て、前に進む」という目標を立てました。

 

私は普段外の世界に恐怖を感じているためか、霞のかかったようなフィルターで世界を見ていた感じでしたが、自分の思いが定まると、見たいものを見ることができ、決断が早くなったり、思ったことをすぐに行動に移すことができることがわかりました。


②オーバーフォーカスとは、左脳が優位になりすぎて細部を細かく見ようとし過ぎてしまい、世界の美しいものを見たり感じたり、外とつながることができなくなった状態をいいます。

 

このような時、限られたところから必要以上の情報をインプットしすぎている可能性があります。

 

そこでビジョンに効果的なツボを刺激しながら、目を対角線上に動かす、というトレーニングをしたのですが、その後ものすごい疲労感を感じました。

 

目の使い方の背後に長年信じてきた思考があるため、目を動かすことは脅威である、という考え方が染みついているのです。

 

目を動かして世界を感じることは本来は望ましいことではありますが、これまで慣れ親しんできた自分のパターンとは異なるものなので、からだにとっては一時的にストレスになってしまいます。

 

目を向ける方向が限定的である、ということは、それだけ思考も凝り固まっていて感じることができない状態です。

 

そこで、このレッスンのあとは、歩きながらいろいろな方向に目を向けるよう努めてみました。

 

特に、ネガティブな思考がやってきたときは、ほぼ間違いなく同じ方向、それも下を見ている時が多いので、ぱっと目をそらし、上を見るだけで思考が遮られることに気付きました。

 

③アンダーフォーカス→ スキャニング、オーバーフォーカス→ スキミング

このように、アンダーフォーカスの状態にあるとき、目を漠然と使っているだけで、焦点を定める、目標を定める、進みたい方向を定めることができない状態にあります。左脳を使えていない状態です。

 

これに対し、オーバーフォーカスの状態にあるときは、ある特定のものに焦点を当てすぎていて、全体を見ることができない状態にあります。右脳を使えていない状態です。

 

左脳と右脳が統合されれば、必要に応じて両方の状態を使い分けることができるようになります。

 

そのためには、両目を使うことが大事になってくるわけですが、ここでスキャニング(scan= 精査する、じっと見る)とスキミング(skim= すくい取る、拾い読む)の違いを意識しましょうというお話がありました。

 

スキャニングとは、ある特定のもの、必要なものを探す、という目の使い方で、目標を定める時には効果的ですが、探しているものが何か、ということが大事になります。

 

ネガティブな思考にとらわれ、見たくない現実ばかりを探している状態にもなりかねません。

 

一方で、スキミングとは、目を自由に動かして、何かよいものがないかとぼんやり眺め、見えたものを楽しむ、という使い方です。

 

そして、右脳に基づく目の使い方をするには、このスキミングの見方をすることが大事だと習いました。

 

外を歩くとき、目標物ばかりを目指さず、見える景色を楽しむ、木陰に見える鳥たちに気付いたり、雲の形から何か連想するものを思い浮かべたり、また、何かに気付いてもそこからネガティブな連想をせず、見たものをそのまま認識するなどです。

 

判断せず、ただ見て、感じる、という心のあり方につながっていきます。

 

日頃からジャッジしない、マインドフルネスのあり方が大事、と書いていますが、思考のパターンは根深いので、実行するのはなかなか難しいと思っていました。

 

そんな時、目の使い方をちょっと変えるだけで、思考も変わっていくのかもしれない、そんなことを感じた学びでした。